久しぶりに、小説を読んでみました。YouTubeで岡田斗司夫さんが紹介していて興味が湧いた本です。以前、「宝くじで一億円あたった人の末路」という本を読んだことがありますが、今回は小説です。
どうやら、映画化したこともあるようですが、私は全く知らなかったです。
亡くなった弟の借金を一人で背負い込んで、妻と子供に出ていかれた一男が3億の宝くじを当てたことでいろいろな経験をしていく話。
一男はいったん手にした3億を、一夜で無くしてしまうことで、たくさんの人に会い、お金とは何か、考えるようになる。親友の九十九は、なぜ3億と共に消えたのか?まずはそれが気になる。
読んでいると、初めは九十九を胡散臭く思ってしまうのだけど、学生時代の二人のエピソードやら、一男が九十九を探す過程で出会う人との話の中に、若くして億という財産を築き、事業でも成功してきたのに孤独な九十九という人間に興味が湧いてくる。
九十九が一男に教えたかったことはなんだったんだろうか。一男は、3億もの大金を持ち逃げした九十九に疑門を持ちながらも、信じ続けていたように思う。そして、九十九にとっても、お金を持ちすぎることで人を信じるのが難しくなっていた時に、親友の一男からの変わらない信頼がなにより幸せだったんだろう。
九十九は、学生時代から「幸せとお金の答え」を探し続けていたのだから。
この本では「幸せとお金の答え」がテーマのように感じるが、具体的にその答えが何かはわかるように書いてはない。九十九にとっては「人を信じること」だったのかもしれない。
一男にとっては、きっと、家族とまた一緒に暮らしたい。生きるための「欲」を取り戻す事だったんじゃないだろうか。
お金がたくさん入ったら幸せになれるのか?
人生に必要なもの。それは勇気と想像力と、ほんの少しのお金さ。
一男は、3億があっても、家族を取り戻すことは出来なかっただろう。だけど、九十九のおかげで変われたようです。本では途中で終わってしまっているけど、一男はいつか家族を取り戻せると思います。
そんな感じで、お金と幸せについて考えた小説でした。信頼って、何よりの財産ですよね。それこそお金で買えないですし。一男と九十九の友情も素敵でした。
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